他の相続人が相続放棄したかわからない場合の照会とは?
他の相続人が相続放棄したかわからない場合の照会とは?
遺産相続をするときには、法定相続人が全員集まって遺産分割協議を行う必要があります。
遺産分割協議には法定相続人全員が参加しなければなりませんが、相続放棄している人がいる場合、その人は参加の必要がありません。
そこで、相続が起こったとき、他の相続人が相続放棄したかどうかを調べる必要があります。
今回は、他の相続人が相続放棄をしたかどうかを調べるための照会方法について、解説します。
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他の相続人が相続放棄したかどうか確認する方法
遺産相続が起こった時、相続人が相続放棄したかどうかを調べる必要があるケースがあります。
相続が起こったら、基本的に法定相続人が法定相続分に従って遺産を相続しますが、そのためには遺産分割協議をしなければなりません。ただ、相続放棄をしている人は遺産分割に参加できない(しなくていい)ので、誰を協議に参加させるかを決めるため、相続放棄の有無を知る必要があるのです。
ただ、他の相続人に対して面と向かって「相続放棄したのか?」と聞きにくいことがあります。また、相続人以外の利害関係人(債権者など)が、相続人のうち誰が相続放棄をしたのか、または全員が限定承認をしたのかを知りたいケースもあります。
このような場合、相続人が相続放棄や限定承認をしたかどうかを調べる方法があります。それは、「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会」という手続きです。この照会手続きを利用すると、どの相続人が相続放棄や限定承認をしたのか、またはしていないのかについて、家庭裁判所から回答をもらうことができます。
照会の具体的な手続き
それでは、相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会を行いたい場合、具体的にどのように手続きすれば良いのかを見てみましょう。
照会ができる人
まず、照会ができるのはどのような人かを確認します。
これは、相続人または利害関係人とされています。利害関係人とは、遺産相続について利害を持っている人のことで、具体的には被相続人に対する債権者が主となります。
相続放棄や限定承認が行われると借金の支払いを受けられなくなるので、債権者は相続放棄や限定承認の有無に利害関係があります。
照会先の家庭裁判所
相続放棄や限定承認の照会先の家庭裁判所は、被相続人の最終の住所地を管轄する家庭裁判所です。相続放棄や限定承認の申述手続きを行う家庭裁判所と同じです。
照会の必要書類と費用
照会を行う場合には、以下のような書類が必要です。
●相続人が照会する場合
照会申請書
被相続人等目録
被相続人の住民票の除票(本籍地記載あり)
照会者と被相続人の戸籍謄本(発行後3か月以内)
照会者の住民票(本籍地記載あり)
相続関係図
●債権者が照会する場合
照会申請書
被相続人等目録
被相続人の住民票除票(本籍地の記載あり)
照会者の住民票または法人の登記事項証明書
債権の内容を示す資料
どちらのケースでも、回答書の返信用の封筒と切手が必要です。
●費用
相続放棄や限定承認の照会には、費用はかかりません。
照会対象の期間
相続放棄や限定承認の申述照会をしたとき、照会の対象になる期間は限定されています。具体的には、各家庭裁判所で定めている「申請日まで回答する始期」とより後の死亡か前の死亡かによって、扱いが異なります。
「申請日まで回答する始期」より後の死亡の場合には、
- 現在までの申述の有無
が照会対象となります。
これに対して、申請日まで回答する始期より前の死亡の場合には、
- 第1順位の相続人の場合には被相続人が死亡した日から3ヶ月間
- 後順位者の場合には先順位者が相続放棄をして、それが受理された日から3か月間
が調査対象です。
「申請日まで回答する始期」は、各地の裁判所によって異なるので、自分のケースでの申請先の裁判所の定めをチェックすると良いでしょう。
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